国・中労委(ソクハイ)事件(東京地判平24・11・15) メッセンジャーとの団交拒否不当とした労委判断は 組織に組み込まれた労働者 ★

2013.04.22 【判決日:2012.11.15】
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 自転車で配送を請け負う「メッセンジャー」らの労組との団交を拒否した会社が、中労委の救済命令取消しを求めた。東京地裁は、業務遂行に不可欠な労働力として組織に組み入れられていたと判示。契約内容は一方的に決められ事業者性も高くないなど、業務実態から労働契約またはそれに類する契約により労務を提供し収入を得る者に当たり、労組法上の労働者とした。

条件一方的に決定 事業者といえない

筆者:弁護士 石井 妙子(経営法曹会議)

事案の概要

 S社は、いわゆるバイク便の会社であり、配送業務を行うメッセンジャーとの間では、労働契約ではなく「運送請負契約」を締結していた。ところが、メッセンジャーによる「労働組合」が結成され、労働委員会は、メッセンジャーの労働組合法上の労働者性を肯定して、団交拒否、不利益取扱いについて不当労働行為救済命令を出した。

 本件は、中労委命令(平22・7・7)を不服とするS社が、その取消しを求めた事案である。

 中労委により、不当労働行為であるとされたのは、会社が、組合の執行委員長であり、営業所長(メッセンジャーの中から選任)でもあったXの所長解任をしたこと、その後、Xの処遇に係る団交申し入れに応じなかったことの2点である。なお、所長解任は、Xが都労委の調査期日に出席し、発言したことを理由としてなされた不利益取扱いであるとしたが、その日に審理されていたのは、本件とは別の団交拒否であり、当該事案は不当労働行為には該当しないとされた。

 本件は、主に以下のように判示し、会社の請求を棄却した。…

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平成25年4月22日第2918号14面 掲載
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