日本板硝子事件(東京地判平21・8・24) 転進支援金出る退職届撤回し早期退職優遇求めたが 金額通知で合意解約が成立

2010.03.08 【判決日:2009.08.24】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 硝子メーカーの元兼務役員が、転進支援制度による退職届を撤回して、退職金が5000万円以上多い新設の退職優遇制度の適用を求めた。東京地裁は、退職金の額通知時までに合意解約は成立と判示。新制度について労働契約上の信義則等に基づく告知義務はなく、退職加算額は裁量範囲であるとして、均等待遇違反や裁量権の逸脱・濫用とはいえないとした。

新制度の告知不要 加算は使用者裁量

筆者:弁護士 石井 妙子(経営法曹会議)

事案の概要

 Xは、Y社の子会社に在籍出向し、取締役兼事業部長の地位にあったが、平成19年12月25日、「ネクストライフサポート制度」(転進支援制度)による退職届を提出し同20年3月31日付で退職することとなった。

 Y社は平成20年2月28日、新たに管理職を対象に、「早期退職者優遇措置」の実施を公表した(転進支援制度の適用退職者を除く。以下「本件除外条項」)。同措置では、会社都合退職金に年俸5年分等が加算され、転進支援制度との差額は、Xの場合5000万円余に及んだ。

 Xは、3月に入り数回にわたり退職届の撤回を通知したが、Y社は撤回を認めず、3月31日付退職扱いとし、転進支援制度による退職金を支払った。

 Xは、Yに対し、早期退職者優遇措置の適用を排除したことは公序良俗に反し、債務不履行もしくは不法行為に基づく損害賠償請求として差額相当額および両制度の退職日の相違による賃金2カ月分相当額の支払いを求め提訴した。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

平成22年3月8日第2768号14面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。