日本マクドナルド事件(東京地判平20・1・28) 店長が“名ばかり管理職”だと時間外割増を請求 権限や待遇で監督者性否定 ★
2008.06.02
【判決日:2008.01.28】
ファーストフード店の店長が、管理監督者には当たらないと割増賃金などを請求した。東京地裁は、アルバイトの採用権限を有しているものの、経営者と一体的な立場にあったとはいい難く、労働時間決定に自由裁量性がないこと、処遇面で下位職制との差が年額40万円程度であること等、職務の内容・権限および責任、また待遇の観点から管理監督者とは認められないとした。
店舗限定の人事権 賃金処遇は不十分
筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)
事案の概要
日本マクドナルド株式会社は、世界的に有名なファーストフード店の日本法人である。
Xは、昭和62年2月に会社に従業員として採用され、平成11年10月、店長に昇格したものである。会社の就業規則には次のような定めがある。
「第14条(時間外、休日)業務の都合により所属長の指示する時間外勤務又は休日勤務に関しては、別に定める給与規程により割増手当を支給する」
「第16条(適用の除外)第11条から第14条までの規定は、次の者に対しては適用しない。
管理又は監督の地位にある者
パートの処遇、採用、解雇の可否、昇給の決裁権限を有する店長、営業スタッフ、会社の重要な戦略、戦術を決定する等、および部長不在時にその職務等を代理決裁するマネージャー職以上の者」…
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平成20年6月2日第2683号14面 掲載