マニュライフ生命保険事件(東京地判平17・6・24) 雇用維持で2度の配転、生保職員が不当と訴え 社内配置実現し違法性ない
2006.01.16
【判決日:2005.06.24】
事業縮小に際し、雇用維持を目的として転職準備を自ら行う人材開発室に配転され、再度印刷発送室に配転させられた生命保険会社の女性営業職員が配転命令の無効などを求めたもので、東京地裁は人材開発室への配転は雇用を確保する目的で業務上の必要性があるとし、新職務創設の上での発送室への配転も違法無効とはいえないとした。
業務上の必要ある 著しくない不利益
筆者:弁護士 岩本 充史
事案の概要
Yは、訴外甲社等の共同出資により設立された生命保険会社である。Xは昭和50年4月に甲社に入社し、法人代理店営業担当等の業務に従事していたが、平成11年4月にYに転籍した。
XはYにおいて法人代理店営業担当(AMD)として業務に従事していたが、Yは平成12年12月、Xを人材開発室へ配転した(第一次配転命令)。また平成13年12月、Xを総務部印刷発送室へ配置転換した(第二次配転命令)。Yでは内勤事務担当者に給与レンジと連動したタイトル制度を導入しており、配転によりXは低位のジュニアアソシエイツを付与された。
Xは、Yに対し、各配転命令およびタイトル付与の命令は無効として、Xが発送室に就労する義務のないこと、タイトルがアシスタントマネジャーであること等の確認等を求めた。
判決のポイント
第一次配転命令の効力
本件就業規則は……
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平成18年1月16日第2568号14面 掲載