印南製作所事件(東京地判平17・9・30) 経営悪化から貢献度評価で11人を整理解雇へ… 人員削減の必要認めがたい
2006.05.22
【判決日:2005.09.30】
経営悪化により人員削減が必要と判断し、損益分岐点から算出した余剰人員11人を、従業員の貢献度評価にそって人選し解雇したが、対象者の2人が解雇無効を主張し提訴したもの。東京地裁は7人を超える人員削減の必要性は認められないとし、十分な解雇回避努力がされていないなど整理解雇の4要件を満たさず、解雇権の濫用で無効と判示した。
機械的算出は疑問 人選にも裁量部分
筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)
事案の概要
食糧品自動包装機械の製造などを目的とする会社で、従業員は当時(平成14年12月)46人、第1、第2工場を有している。
会社は平成14年10月30日、NC旋盤オペレーターのA、汎用旋盤オペレーターのBほか数人に対し、「当社は窮地に追い込まれリストラにまで手を染めなくてはならない」、「平成14年12月20日を目安に区切りを」などと記載した書面を交付し、同年11月20日、Aらほか数人を12月20日付で解雇する旨記載した書面を掲示した(本件整理解雇)。
従業員AおよびBは、本件整理解雇は整理解雇の要件ないし要素を充足するものではなく、客観的な合理性、相当性を欠き、無効であるとして、雇用契約上の権利の確認および賃金の支払いを求めて提訴した。…
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平成18年5月22日第2585号14面 掲載