おきぎんビジネスサービス事件(那覇地裁沖縄支判平18・4・20) 重量物運搬で腰痛、会社と代表者に賠償求める 経営トップ 環境整備義務に反する
おきぎんビジネスサービスに勤務する女性が、日常的に20キログラムにも及ぶ重量物の運搬により、腰椎椎間板症などを発症したとして、損害賠償を会社と経営者に求めた事案である。那覇地裁沖縄支部は、病状を把握せず従前業務を継続させたとして会社の安全配慮義務違反を、また経営者にも労働環境整備義務に反する不法行為を認定し、それぞれ損害賠償を命じた。
会社の配慮違反も 必要な措置とらず
筆者:弁護士 岡芹 健夫(経営法曹会議)
事案の概要
原告Xは、昭和62年9月1日、現金等の精査・整理業務、現金等の輸送業務、特定先の集配金業務、文書等の集中発送業務等を目的とする会社㈱Y1に入社し、平成9年4月18日付けで、文書管理センターに配置転換された。その配転後、まもなく腰を痛め、同年4月28日、腰痛のため針灸院で受診したが、その後再び腰を痛め、同年7月7日、10日と別病院を受診し、同病院より「通院加療が必要であり、重労働は困難と考える」旨の診断書が提出された。その後、同年7月10日から同年8月6日まで休職した。
同年8月6日、同病院は、「腰椎椎間板症」と診断しつつも「最近腰痛の訴えが軽減しつつあるので、腰痛の増悪がなければ就労は可能と考える」との診断書を出した。
Xは同年8月7日より職場復帰したが、その際、Y1では、段ボール箱の保管場所を変更し、Xが従事する段ボール移動業務の移動距離を短縮する措置をとった。
Xは同年12月12日、同病院を受診し同日より欠勤した。そして、同年12月29日より職場復帰したものの、平成10年1月6日に早退し、同年1月末まで再び休職した。…
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