ネスレ日本(懲戒解雇)事件(最二小判平18・10・6) 暴行事件から7年半経過後の懲戒解雇の当否は 権利留保に合理的理由ない ★

2007.04.30 【判決日:2006.10.06】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 管理職への暴行事件から7年半後に行われた労組役員らに対する懲戒解雇の効力を争った上告審。最高裁は、会社が捜査機関の結果を待つため懲戒権の行使を留保したことについて、事件後処分の裁量があったうえ、不起訴になったにも拘らず解雇したことに合理的な理由はなく、社会通念上相当なものとは是認できないとして、原審判断を取り消し、懲戒解雇を無効とした。

不起訴で処分重い 高裁判断取り消す

筆者:弁護士 石井 妙子(経営法曹会議)

事案の内容

 本件は、上司に対する暴力事件を起こしたことなどを理由として、7年以上経過した後に諭旨退職(懲戒解雇)処分をされたX1およびX2が、当該処分の効力を争った事案である。

 事の起こりは、X2が平成5年6月9日に欠勤し、年休に振り替えようとしたところ、上司のA課長代理がこれを認めなかったことにある。これに対し労働組合が抗議行動を行っている状況下で、同年10月25日および26日に、X1、X2および訴外BのA課長代理に対する暴行事件が発生した。また、X2の平成6年2月の欠勤をめぐって、同月10日にもA課長代理に対する暴行事件が発生した。

 Y(会社)は、平成7年7月31日ころ、Xらに猛省を促すとともに懲戒処分の権利を留保する旨の通告書を送付したが、A課長代理が被害届や告訴状を提出していたことから、その結果を待って処分を検討することとした。検察庁は平成11年12月28日付で不起訴処分とし、Yはその頃から処分の検討を始めたが、その後、関連するBの訴訟でYの主張が認められたことから、Yは事件から7年以上経過した平成13年4月17日、X1、X2に対し諭旨退職処分を行い、Xらが定められた期限までに退職願を提出しなかったことから懲戒解雇とした。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

平成19年4月30日第2630号14面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。