全国建設工事業国民健保組合北海道東支部事件(札幌地判平17・5・26) 半年で28回の私用メール、降任・減給処分は? 制裁の限度超え懲戒権濫用

2007.06.11 【判決日:2005.05.26】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 健保組合の課長らが、業務用パソコンの私的利用を理由とした降任および減給処分は懲戒権の濫用として無効を主張した事案。札幌地裁は、組合にはパソコンの取扱規則がなく、メール交信の多寡で処分を決定したなかで、その調査方法には公正性の点で問題が多く信頼に乏しいこと、減給額に労基法第91条違反があることなどから、重過ぎる処分であり無効と判断した。

調査に公正性欠く 社内規定が不十分

筆者:弁護士 石井 妙子(経営法曹会議)

事案の概要

 Yは、X1が、部下が時間内に頻繁に私用メールを行っているのを容認し、自らも頻繁に私用連絡、上司批判等を内容とするメールを行ったとして、就業規則に定める物品の私用禁止等に違反し、かつ、課長の職務に必要な適格性を欠くとして、3カ月間基本給10%の減給処分および課長職から係長職への降任処分をした。また、X2に対しても、業務用パソコンに許可なくヤフーのメッセンジャーをインストールしたうえ、他の職員に参加を勧誘し、チャットを利用して勤務時間中に外部の者との私的連絡等を行い、さらに時間内に頻繁に職員間で私用メールを行っていたとして、3カ月間基本給10%の減給処分とした。

 X1らは本件各処分は処分事由が存在せずあるいは懲戒権の濫用で無効と主張し提訴した。

判決のポイント

1 結論

 判決は、本件各懲戒処分および降任処分を無効とし、…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

平成19年6月11日第2636号14面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。