中山書店事件(東京地判平19・3・26) 同意なき年俸減額は有効? 従前額との差額請求 提示額を最低保障として合意

2007.10.29 【判決日:2007.03.26】
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 社員の同意なく年俸を減額したことにつき、過去に合意した年俸との差額を請求した事案。東京地裁は、会社は年俸交渉打ち切りの決定権があるが行使しておらず、現在交渉中の提示額を最低保障とする合意が成立していると判示。1年限定で合意した過去の年俸額は請求できず、制度について社員に対する説明は広く認識されていることから、年俸減額を有効とした。

決定権は使用者に 設計内容も周知し

筆者:弁護士 岡芹 健夫(経営法曹会議)

事案の概要

 X1は、派遣社員、有期雇用契約社員を経て、出版等を業とするYに平成13年3月より期間の定めなくして雇用され、X2は、Yの経理業務を請け負っていた関連会社より、平成6年1月に移籍し、X3は、昭和42年にYに入社し、関連会社を経て平成6年1月よりYに在籍するようになった社員である。

 Yは、平成12年3月、全社員に対して、一般管理職(その実態は時間管理も受ける一般社員である)を含めた管理職に対して平成13年4月より年俸制を実施すること、年俸制実施の最初の年俸額は前年度の年収を保障するが、2年目以降は、社員本人が設定した目標の達成度、貢献度、賃金原資の変動によって減額があり得ること、年俸の10%が時間外手当相当額として含まれること等を説明した。また、平成13年2月から4月に、年俸制の目的、必要性、実施の手順等を説明し、同年4月ころまでに社員の個別面談が行われ、多くの社員が年俸制に同意した。…

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平成19年10月29日第2654号14面 掲載
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