建通エンジニアリング業務委託ほか事件(東京地判平29・8・31) 中途採用の部長、同業で兼業し賠償求められる 競業に関する報告義務違反

2018.09.20 【判決日:2017.08.31】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 同業他社での兼業は競業避止義務違反として、派遣会社が本部長に損害賠償を求めた。東京地裁は、本部長は1年契約の業務委託であり、善管注意義務として競業に関する情報の報告義務を負うとした。他社でグループ拡大の交渉を担当し成立させるといった情報は重要事項であり、報告があれば会社は契約更新しなかったとして契約更新後の報酬300万円の賠償を命じた。

労働者性なく委託 契約更新分が損害

筆者:弁護士 岡芹 健夫(経営法曹会議)

事案の概要

 X社は、建築工事等の設計、監理、施工ならびに請負、一般および特定労働者派遣事業等を目的とする株式会社である。

 Y1(個人)は、建築人材派遣事業等を目的とする会社の代表取締役社長をしていたところ、同社が業績不振に陥ったため、平成20年に同社の事業をX社に譲渡した。その後、X社はY1にX社の業務を遂行させるようになり、24年以降、Y1はX社の建築事業本部長として業務を遂行していた。なお、Y1の報酬は、当初は年1000万円で、26年4月からは月75万円であった(以下、X社とY1との契約関係を「本件契約」)。

 Y2社は、建築工事の設計、施工、監理ならびに請負、一般および特定労働者派遣事業等を目的とする株式会社であり、Y1は、平成25年3月頃からY2社の業務をするようになり、同年5月に取締役副社長に任命され、8月には取締役として登記された。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

平成30年9月24日第3178号14面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。