日本マイクロソフト事件(東京地判平29・12・15) 態度悪いとクビ、労災の一部休業中と無効主張 勤務実績から解雇制限なし
勤務態度を理由に解雇された元従業員が、3カ月前の休日出勤中に負傷しており解雇は労基法違反と訴えた。一部休業などの主張に対し、東京地裁は、所定労働時間以上の勤務実績があり、休業の事実はないとして労基法の解雇制限は適用されないと判断。再三の注意や指導書交付に反省の言がないなど改善は見込めず解雇有効とした。無許可の休出だが労災認定されていた。
所定時間以上働く 再三指導も応じず
筆者:弁護士 岩本 充史
事案の概要
本件は、Yが、平成6年11月に入社したXを同25年6月29日付けで解雇したところ、Xがこれを無効であると主張して、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めた事案である。
Yは、Xに対して休日出勤を命令していないが、休日(平成25年2月9日)にXがYの事業場内で転倒して左足を骨折する事故(以下「本件事故」)に遭った。その後、Xの診察をした医師は、傷病は平成26年12月に症状固定した旨の意見書を作成している(なお、Xの負傷について労基署長は業務上災害と認めている)。
Yは、Xに対し、平成25年5月29日、解雇予告通知をし(以下「本件解雇予告」)、同日以降、同年6月29日までの就労を免除した。Xは本件事故後、所定労働時間(7時間30分)以上の勤務を行っていた。
Xは、Yが契約する顧客企業に対し、Yの商品のサポート、技術セミナー・ワークショップの開発等、各種支援業務等に従事していた。Xは、稼働率を上げるため多くの仕事のアサインを得ることに固執し、…
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