高知県立大学後援会事件(高知地判平30・3・6) 3年上限で有期雇用、契約職員の雇止め効力は 更新期待に合理的理由なし
2018.12.06
【判決日:2018.03.06】
大学で就職相談業務を担う事務局の職員が、契約期間3年の上限に達したため雇止めされた。事務局は大学と別組織だが、職員は2人で大学の就業規則を適用していた。高知地裁は、就業規則で3年を上限と定め、期間を超えた職員もいないなど更新期待の合理的理由は認められないとした。準拠する法人で再雇用の実態はあるが、事務局に適用することは相当ではないとした。
継続事例なかった 就業規則でも明確
筆者:弁護士 岩本 充史
事案の概要
本件は、Yとの間で平成25年7月1日に9カ月の期間雇用契約を締結し、その後、2回にわたり契約(雇用期間は各1年)を更新されたXが、Yが平成28年4月1日以降は契約を更新しなかったこと(以下「本件雇止め」)について、労働契約法19条に基づき、契約が更新されたと主張して、Yに対し、Xが雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認等を求めた事案である。
Yが雇用する従業員は、契約職員2人であったため、就業規則がなく、高知県公立大学法人(以下「法人」)の契約職員に関する就業規則に準拠することとしてきたが、Yと法人とは別個の組織である。
法人の就業規則には、「契約職員の雇用期間は、1会計年度内とする。ただし、3年を超えない範囲内において更新することができる」と規定されており、Yが雇用した契約職員には、3年以上継続して雇用された者はいない。…
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平成30年12月10日第3188号14面 掲載