PMKメディカルラボ事件(東京地判平30・4・18) 本社のみ賃金規程、みたことないが割増定額? 固定残業代の周知なく無効
2018.12.13
【判決日:2018.04.18】
エステ店に転籍した4人が、固定残業代は無効として未払残業代を求めた。東京地裁は、採用から転籍時を通して労働条件の説明はなく、労働契約の内容を規律するために必要な賃金規程の周知がなされていないとして請求を認容。会社と従業員1人が、賃金規程は本店にあり各店に郵送可能とした承諾書を交わしたが、その旨周知したといえず現に閲覧もされなかった。
転籍時も明示なし 合意したといえず
筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)
事案の概要
甲社(メディカルラボ)および乙社(PMK)は、いずれも主にエステティック技術の施術等の美容業を提供する、同一人が代表者に就任している協力関係にある株式会社で、全国に約30店舗を展開している。労働者Aら4人のうち3人は、乙社との間で平成24年2~4月頃に労働契約を締結して入社後、甲社に出向し、その後、転籍し、平成28年3~7月頃にいずれも甲社を退職した者である。
Aらは、平成28年7月7日に加入していた労働組合を通じて、未払残業代の支払いを求めたが、甲社は応じなかったため、Aらは平成29年1月6日、本件訴訟を提起した。…
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
平成30年12月17日第3189号14面 掲載