相鉄ホールディングス事件(横浜地判平30・4・19) バス運転士の出向解除、「元」で清掃業務命じる “職種限定の合意”を認めず
2019.01.10
【判決日:2018.04.19】
バス事業の分社化に伴い子会社へ在籍出向させていた運転士ら58人に復職を命じ、清掃業務に従事させたこと等が配転命令権の濫用に当たるか争った。横浜地裁は、職種限定の合意は認められないとして請求を斥けた。就業規則に配転等の条項があり、他職種へ異動実績もあった。清掃業務は再出向までの一時的な期間で、復職後の処遇などを踏まえ、著しい不利益とはいえないとした。
就規には配転条項 他職種へ異動実績
筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)
事案の概要
原告らは、被告相鉄ホールディングス株式会社の従業員であり、相鉄バス株式会社に在籍出向してバス運転業務または車両整備業務に従事していた。原告らは、平成28年4月16日から平成29年7月16日の間、順次、在籍出向を解除され、清掃業務等への従事を命じられたことに関し、本件復職命令は労働協約、個別労働契約に違反し、権利濫用に当たり、無効であるなどと主張して、バス運転士(原告1人については、車両整備士)以外の業務に勤務する義務がない労働契約上の地位にあることの確認を求めた。また、原告相模鉄道労働組合が、上記違法行為により組合員である個人原告らの被った損害とは別個の損害を受けたと主張して、被告会社や被告会社の代表取締役らに対して、損害賠償を請求した。…
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平成31年1月14日第3192号14面 掲載