北産機工事件(札幌地判平11・9・21) 診断書添え職場復帰求めた休職者への退職扱いは 満了理由の退職に“待った”
2000.01.31
【判決日:1999.09.21】
完全に復職できる可能性推認できた
筆者:弁護士 加茂 善仁(経営法曹会議)
事案の概要
Y会社の営業部員Xは、平成8年7月10日、帰宅途中に交通事故を起こし、脳挫傷及び外傷性クモ膜下出血の障害を受け入院加療を要することとなった。
Y会社の就業規則には、「従業員が業務外の傷病で欠勤が3カ月に及んだときには、休職させることがある」、「業務外の傷病による休職期間は、6カ月を限度とする」、「従業員が復帰を命じられないで、休職期間が満了したときは、退職とする」旨規定されていたところ、Xは、右交通事故による障害のため業務外の疾病を理由に休職することとなった。休職期間の満了約1カ月前に、XはY会社に、医師の診断書(現在、左手のわずかな震えと右足のしびれがわずかにあるが、日常生活には全く問題がなく、車の運転もできる旨の記載あり)を添えて職場復帰を求めた。Y会社は、休職期間6カ月満了後、Xの症状が完全に回復していないとして復職命令を出さず、就業規則にもとづき退職扱いとした。そこで、Xは、休職期間満了時点で症状が回復し復職が可能であったので、退職事由はないとして、労働契約上の地位確認及び賃金の支払いを求めて提訴した。…
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平成12年1月31日第2282号13面 掲載