明治図書出版事件(東京地決平14・12・27) 幼児の病気治療で共働き社員が転勤拒否、救済を 負担重く拒む「正当理由」に

2004.04.12 【判決日:2002.12.27】
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 共働き社員に転勤を命じたところ、重度アトピー性皮膚炎の子ども2人の治療等を理由に拒否、就労義務の無いことの仮処分を求めたもの。育児負担が特段に重く、妻の退職が不可避であるため「通常の不利益」ではないとし、就業規則に定める異動拒否の正当理由に当たり、転勤命令を権利の濫用と判じた。

妻の退職は不可避 特段の事情に相当

筆者:弁護士 山田 靖典(経営法曹会議)

事案の概要

 Xは、平成2年3月、教科書・学習参考書の出版等を主たる目的とし、東京本社のほか、大阪支社、埼玉県川口市に営業開発センター、東京都北区に配送センターがあるY社に総合職として採用され、入社後2年半は営業職に従事した後、現在にいたるまで約10年にわたって東京本社学習教材部門編集部2課に所属し、学習教材部編集者として勤務している。

 Y社はXに対し、平成14年5月7日、大阪支社勤務を命ずる旨の業務命令(本件転勤命令)を発したが、Xは、妻が共働きであり、2人の子が重度のアトピー性皮膚炎で東京都内にある治療院に週2回通院しており、また将来的に両親の介護の必要があることなどを理由に、本件転勤命令を拒否した。

 そしてXは、Y社の発した本件転勤命令を無効として、裁判所に対し同命令に基づく就労義務がない仮の地位を定める仮処分の申立てをした。…

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平成16年4月12日第2484号14面 掲載
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