ナショナル・ウエストミンスター銀行(第3次仮処分)事件(東京地決平12・1・21) 所属部門の閉鎖に伴う余剰管理職の整理解雇は? 解雇有効 4要件に一石
2000.04.17
【判決日:2000.01.21】
賃金、能力に適した配転先検討でよい
筆者:弁護士 中山 慈夫(経営法曹会議)
事案の概要
外国銀行東京支店に勤務するXは、入行以来輸出入に関する金融業務(トレードファイナンス)を担当し、在籍約15年の本件当時管理職であるアシスタント・マネージャーの地位にあったが、銀行のリストラにより平成9年3月トレードファイナンス部門の閉鎖が発表され、Xの担当業務は消滅した。銀行は、Xを配転させるポジションがないとして、4月14日Xに一定額の金銭及び再就職活動支援を内容とする退職条件を提示し、さらにその後雇用の継続を希望するのであれば、経理部の一般事務職のポジション(但し、給与も相応に低下する)の提案をしたが、Xはいずれにも応じなかった。
この間、銀行はXの加入する労働組合と団体交渉を7回行ったが平行線のままで、同年9月30日付でXを解雇した。
決定のポイント
1、リストラクチュアリング(事業の再構築)は、限られた人的・物的資源を戦略上重要な事業に集中させ、不採算事業を縮小・廃止し、もって、資本効率の向上、競争力の強化を図ることを目的とするものであり、このような事業戦略にかかわる経営判断は、それ自体高度に専門的なものであるから、基本的に、株主によって選任された執行経営陣等、企業の意思決定機関における決定を尊重すべきものである。…
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平成12年4月17日第2293号13面 掲載