中労委(朝日火災海上保険)事件(東京高判平15・9・30) 労使が労委の判断を不服と提訴、命令の効力は 副部長への是正は裁量逸脱 ★
2004.04.19
【判決日:2003.09.30】
労働委員会に係属した事案がもつれ行政訴訟に及んだ控訴審判決。争点は多岐にわたるが、基本的に会社の不当労働行為・支配介入を認め、中労委の是正命令を裁量権の範囲内とした一審判断を維持、昇格差別については副部長への是正は会社の人事権を侵害するとして、労委命令の効力を限定した。
昇格の実態を分析 不当に人事権制約
筆者:弁護士 牛嶋 勉(経営法曹会議)
事案の概要
本件申立人で「全損保朝日火災支部」の組合員である控訴人19名は、会社が支部大会に向けての代議員の選出において時間内組合活動休暇を不承認としたこと、17名の配転、職能資格格付け等において差別的取扱いをしたことが不当労働行為に当たるなどと主張して東京都地労委に不当労働行為救済申立てをした。初審命令は、内9名につき申立てを認め、会社に対し、内6名につき原職または原職相当職への復帰、賃金、賞与・昇格差別の是正(1名の昇格を除く)、ポストノーティスを命じ、一部の申立てについては申立期間を徒過したものとして却下した。会社、申立人双方が再審査を申し立てた。…
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平成16年4月19日第2485号14面 掲載