健康保険組合連合会事件(大阪地判平15・11・7) X線科医師が無届けバイト、就業規則違反で解雇 規則違反でも合理性がない

2004.05.03 【判決日:2003.11.07】
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 就業時間外のアルバイトに対し、届出するよう就業規則を改定したが、放射線科医師の無届・ニ重就業が発覚、その他の理由とともに病院側が解雇したもので、届出に厳しい対処を行っていないことや全面禁止する規定ではないなどから、解雇に合理的理由がないとして、解雇権の濫用で無効と判示した。

厳格さ欠く届出制 業務にも支障なし

筆者:弁護士 石井 妙子(経営法曹会議)

事案の概要

 Xは、Yの経営する病院(Y病院)に放射線科部長として勤務していた医師である。Yは、Xが無断で二重就業していること、放射線科のパート事務員の配転に反対し当該事務員に配転命令を拒否させたこと、不必要なパート技師の雇用をしたこと等を理由に、同人を解雇した。

 Xは、従前の就業規則にアルバイトを規制する規定がなく、アルバイトにつき暗黙の了解があったこと、就業規則を改定した後も、アルバイトが全面的に禁止されたわけではなく、届出が必要とされているにとどまることを主張し、また、その他の解雇理由についても事実関係を争い、本件解雇は理由がなく無効であるとして、労働契約上の権利を有する地位の確認および賃金の支払を求めて提訴した。…

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平成16年5月3日第2487号14面 掲載
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