大曲郵便局事件(最一小判平16・3・25) 非違行為重ねる局員への分限免職処分は違法か 支障生じる蓋然性を認める ★
2004.05.10
【判決日:2004.03.25】
超勤命令拒否など7年間にわたり非違行為を繰り返し、分限免職処分となった郵政事務官が、処分を巡って争ったもので、高裁は裁量権の範囲を超え違法としたが、最高裁は服務規律を遵守しないのは容易に矯正できない本人の性格によるとし、職務遂行に支障を生ずる蓋然性を認め、原審の判断を覆した。
矯正できない性格 原審の判断を覆す
筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)
事案の概要
被上告人は、昭和42年7月1日、仙北横堀郵便局臨時雇に採用された後、同44年10月1日、郵政事務官に任命され、同月20日から本件処分を受けるまでの間、大曲郵便局において郵便外務事務に従事していた。
被上告人は、超過勤務命令拒否、研修拒否、始業時刻後の出勤簿押印、始業時刻後の更衣、標準作業方法違反、バイク乗車拒否、胸章不着用、制服不着用、管理者に対する暴言、構内無許可駐車、組合掲示物の無断掲示、指サック不使用、私物の放置、書留鞄の放置および局長室への召還拒否の非違行為を行い、平成2年6月7日から同9年6月19日までの間に937回の指導および職務命令、13回の注意、118回の訓告および5回の懲戒処分を受けた。…
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平成16年5月10日第2488号14面 掲載