新潟鐵工所管財人事件(東京地判平16・3・19) 退職金の8割減額は不当と更生管財人を訴える 破産回避策で合理的な内容
2004.08.09
【判決日:2004.03.19】
会社更生手続きで選任された更生管財人が退職金の支給率を8割減額する就業規則の改正を行い支給したところ、これに不満の元従業員が旧就業規則による支払いを求めたが、破産という最悪の状況を回避する高度の必要性から改正したもので、変更内容に合理性があり、手続きも相当として請求を棄却した。
高度の必要性あり 変更手続も相当と
筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)
事案の概要
会社(㈱新潟鉄工所)は、平成13年11月27日、総額約2270億円の債務を抱えて東京地方裁判所に会社更生手続の開始を申立て、平成14年1月25日、同開始決定がなされ、Aが更生管財人に選任された。
本件は、会社(更生会社)に勤務し退職した従業員甲ら5人が退職金支給率を80%削減した新・就業規則の不利益変更は合理性を欠き、効力を有しないとして、更生管財人Aに対し不利益変更前の旧・就業規則に基づく退職金のうちの残額の支払いを求めて訴えたものである。
判決のポイント
(1)就業規則による労働条件不利益変更の判断基準について…
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平成16年8月9日第2500号14面 掲載