東京セクハラ事件(東京地判平15・7・7) セクハラ発言の上司と放置した会社に賠償請求 評価下げる意図で不法行為

2004.10.11 【判決日:2003.07.07】
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 女性編集者が上司からセクシュアルハラスメント行為を受けたとして不法行為に基づき、また会社にも使用者責任などによる損害賠償等を求めたもので、上司の行為は職場の評価を低下させる意図によるもので人格権の侵害として不法行為に、また職務行為と関連を有するとして会社にも連帯支払いを命じた。

人格権侵害を認定 会社にも連帯責任

筆者:弁護士 石井 妙子(経営法曹会議)

事案の概要

 Xは、上司のY1によるセクハラ発言等があったこと、Y社に対して善処を求めたにもかかわらず、Y社がこれを放置したことを理由として、Y1に対して不法行為による損害賠償330万円(慰謝料300万円および弁護士費用30万円)と謝罪文の交付を請求するとともに、Y社に対して、使用者責任または雇用契約上の就業環境調整義務違反に基づく損害賠償330万円および入社時に差し入れた身元保証書の返還をあわせて請求して提訴した。

 セクハラ行為としては、Y1がXの仕事上の評価の低下を目的として、Xの異性関係に言及して名誉を棄損したこと、Y1が勤務時間中に訴外A、(Y社女性社員)との私的な男女関係を職場に持ち込んで、職場内で騒がしい態度をとったことに対し、同じ職場で働くXの就業環境を害したことが主張されている。…

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平成16年10月11日第2508号14面 掲載
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