日本工業新聞事件(東京地判平14・5・31) “手続き違反”の賞罰委員会が懲戒解雇決定 委員に「欠格」あり無効 ★
2003.01.13
【判決日:2002.05.31】
新聞社の支局長が命令拒否繰り返す
筆者:弁護士 岩本 充史
事案の概要
本件は、昭和46年4月に、被告に雇用され、同年10月に産経労組に加入した。その後、平成6年2月に販売・開発局の千葉支局長に配転を命じられたが、原告は、これに異議をとどめ、赴任をした。ところが原告は、支局長赴任から本件解雇までの約8カ月間に1回80行の記事を出稿したのみで、支局長としての業務を行わなかった。
また原告は、平成6年1月に被告に対し、反リストラ・マスコミ労働者会議・産経委員会(以下「反リストラ産経労」という)を結成した旨通知して団交の申し入れを行った。そして、反リストラ産経労は、同年2月、本件配転が不当配転であり、被告が団交を拒否し組合への支配介入として、東京都地方労働委員会に救済命令を申し立てた。
被告は、原告の千葉支局長としての業務を行わないという行為が「異動命令その他業務上の必要に基づく会社の命令を拒否したとき」に該当するとして、平成6年9月に懲戒解雇に処したところ、原告が、本件懲戒解雇が不当労働行為に該当する、ないし懲戒事由が存しないか、または解雇権濫用にあたり無効であるとして、地位確認等の請求をしたもので、本判決は、原告の請求を認容した。…
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平成15年1月13日第2424号14面 掲載