川崎市水道局事件(横浜地川崎支判14・6・27) 上司の脅し、中傷で精神分裂病にかかり自殺 安全配慮義務に違反
2003.01.27
【判決日:2002.06.27】
本人の資質も原因 賠償額70%減額へ
筆者:弁護士 山田 靖典(経営法曹会議)
事案の概要
X(昭和42年3月25日生まれ)は、Y市に勤務し、平成7年5月1日、水道局工業用水課に転属になったが、過去に同課の工事用立杭の建設用地の使用に関してXの父との間でトラブルがあったため職場に歓迎されず、X自身もそのことに負い目を感じており、もともと内気で無ロの性格であるため職場にも溶け込めなかったことから、転属した約1カ月後頃から上司であるA課長、B係長、C主任の3名より嫌がらせ行為を執拗に繰り返され、挙げ句の果てに厄介者であるかのように扱われ、さらに精神的に追い詰められて欠勤しがちになっていたところ、初めて出席した同年11月18日の水道局の合同旅行会において、Cにナイフを振り回されて脅かすようなことを言われた。右の一連の言動の中心はCであったが、A、Bも、Cが嘲笑したときには、大声で笑って同調しており、その結果、Xは精神的、肉体的に苦痛を被り、精神的に追い詰められたため、病院で受診し「心因反応」と診断され、通院するようになり、同年12月5日、Xの訴えを受けてY水道労働組合は本部において水道局人事課長の甲、A課長らが出席して事情聴取をしたが、同月は1日、平成8年1月は3日、4月は2日出勤しただけで(4月1日に水道局資材課に配転)、12月まで出勤しなかった。…
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平成15年1月27日第2426号14面 掲載