九州運送事件(大分地判平13・10・1) 週40時間制に移行し基本給減額の不利益変更 「赤字経営」でやむなし ★
2003.02.24
【判決日:2001.10.01】
改定内容、手続き ともに合理性あり
筆者:弁護土 岩本 充史
事案の概要
本件は、貨物自動車運送事業等を営むY社の従業員であるXらが、労働基準法の改正により1週間の所定労働時間が40時間に短縮されたことに伴い、Y社が所定労働時間を週40時間とする旨就業規則を変更した際、Xらの同意なく、基本給をそれまでの280分の260に減額する旨賃金規程を変更したことが無効であるとして、従来の賃金規程による賃金と本件賃金規程の改定後との差額及びこれに対する遅延損害金等を請求したという事案である。
本判決は、就業規則の変更が有効であるとし、Xらの請求を棄却した。
判決のポイント
(1)不利益変更について
賃金規程の改定によって労働者の基本給が減額されており、その減額率も260/280で、1カ月の賃金にして約1万2000円から約1万7000円の差額が生じるほどの減額であるから、不利益な労働条件を課すものであることは明らかである。…
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平成15年2月24日第2430号14面 掲載