日本テキサス・インスツルメンツ事件(東京地判平11・11・12) 早期退職制知らされなかったと損害賠償の請求 使用者に告知の義務はない

2000.09.18 【判決日:1999.11.12】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

退職の選択は割増金の支給と無関係

筆者:弁護士 石井 妙子(経営法曹会議)

事案の概要

 Xは、平成10年5月25日に上司に対して退職の決心を告げ、27日に翌月22日を退職日とする退職願を提出、5月29日に承認された。その後、Y社は6月16日に早期退職制度の採用を決定し、19日にマネージャーらに口頭で説明、25日に対象者に、同制度は、対象者を45歳以上・勤続年数10年以上のすべての正社員とし、基本給の24倍の金額を早期退職付加金として支給するものという書面を発送した。

 Xは、Y社には早期退職制の採用予定を告知する義務があったにもかかわらずこれを怠り、Xに付加金を支給しないために申し込み期間を変更したり、発表を故意に遅らせたりしたとして、付加金相当額の損害賠償を求めて提訴した。また、予備的に、事情を知っていれば退職の申出はしなかったとして錯誤無効を主張し、改めて早期退職制度による退職をするとして付加金の支払いを求めた。

判決のポイント

 判決は以下の理由からXの請求を棄却した。

 1 早期退職制度の採用を決定したからといって、直ちに従業員に対し、それを告知する義務を負うものではない。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

平成12年9月18日第2313号13面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。