関西外国語大学事件(大阪地判平14・4・17) ベア代替の調整手当、最高号俸で打ち切り 労務と関係なく合理性なし ★
2003.04.21
【判決日:2002.04.17】
給与規程の改定は合法としながらも
筆者:弁護士 加茂 善仁(経営法曹会議)
事案の概要
X1は学校法人Yの教授、X2は助教授であり、訴外A組合に所属していたが、X1は平成元年に、X2は平成9年にA組合を脱退し、平成9年に訴外B組合を結成した。
Yは昭和59年11月に、給与規程を改訂し、ベースアップに代わる調整手当の制度を導入、基本給に加算せず、給与表最高号俸に達した者には、その翌年より調整手当は支給しないが「研究業績ならびに勤務成績が特に良好な者については、別途考慮する」旨の但書をもつ付則1を規定した(給与規程改訂(1))。
さらにYは昭和60年5月、給与規程を改訂し、研究業績ならびに勤務成績、大学への貢献度、職務の責任度によって調整手当を支給するとの規定を新設した(給与規程改訂(2))。
A組合は、昭和63年5月、Yとの間で、調整手当に関する協定を締結し、その後毎年、賃上げ分を調整手当として支給する旨の覚書が締結されている。
Yは、昭和63年9月に調整手当に関する内規を作成し、その中に各種調整手当を列挙したが、その一つに、賃金水準の引上げを目的とする調整手当を掲げ、内規の定めるところにより調整手当を支給するとした。…
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平成15年4月21日第2437号14面 掲載