アジアエレクトロニクス事件(東京地判平14・10・29) 希望退職に応じたのだから特別加算金を支払って 承諾の意思推認し支払命令

2003.05.19 【判決日:2002.10.29】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

会社の一方的判断 適用の有無明示を

筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)

事案の概要

 被告は、リストラのためテスタ部門を従業員共々他社に営業譲渡することにし、それに際し会社都合退職の退職金に特別加算金を加給する条件で希望退職者を募った。原告らは被告に勤務しその際退職したが、被告は特別加算金を加給しなかったので、原告らがその支払とこれに対する遅延損害金の支払を求めたのが本件である。

判決のポイント

 本件のように企業存続が危ぶまれ倒産回避のため、主要部門について営業譲渡を行い残る社員についても大幅なリストラが予想されるような場合、余剰人員とされる者に対する短期間の希望退職の募集に承諾条件を設定するのであれば、第1に「会社の認める者」といった、無限定で会社による一方的な判断の可能な事由ではなく、各社員につき適用の有無が判明するような明確で具体的な承諾条件で、かつ、それが確たる根拠に裏付けされたものであることを要し、第2に会社は募集に際し、社員の決断の時機を逸することなく、これを明示すべきであり、少なくとも各社員がそれを明確に認識できるよう周知する手段を講じる必要がある。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

平成15年5月19日第2441号14面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。