日本ガイダント事件(仙台地決平14・11・14) 営業職から事務職へ、給料も半減と救済求める 降格が無効なら配転自体も
2003.06.02
【判決日:2002.11.14】
業務上の必要性が認められない措置
筆者:弁護士 岩本 充史
事案の概要
本件は、医薬品等の製造、輸入及び売買等を業とするYに雇用されていたX(平成11年3月8日に労働契約を締結。賃金月額61万3000円で、仙台営業所の営業係長)の営業成績が劣悪であったため、Y社がXに対し営業職係長から営業事務職への配転命令を行い、それに伴い賃金が31万3700円となった。Xは当該配転命令は無効で、労働契約上営業職としての地位を有すること等を求め、仮処分を申し立てた事案であり、本決定は一部を認容した。
なお、Y社の給与体系は、職階ごとに分類して給与等級を割り当て、等級の低い方から順に、PJ-1、PⅠないしPⅢとなり、営業事務職はPⅠであり、Xの給与等級は入社時から配転命令までPⅢであった。
決定のポイント
① 配転命令の法的根拠
「本件配転命令はXの職務内容を営業職から営業事務職に変更するという配転の側面を有するとともに、Y社においては職務内容によって給与等級に格差を設けているところ、…
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平成15年6月2日第2443号14面 掲載