九州自動車学校事件(福岡地小倉支判平13・8・9) 所定休日を日曜日から月曜日に変更、不利益変更か 日曜教習の必要性認める
2001.12.10
【判決日:2001.08.09】
不利益なしとはいえぬが重大でない
筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)
事案の概要
自動車学校を経営する法人が日曜日の教習を行えるよう所定休日を月曜日にし、事務効率化のため女性事務員の終業時間を午後5時20分から午後6時までに延長するなどの労働条件の変更を就業規則の改定により行ったところ、従業員の一部がこれに反対して、日曜日の就業を拒否したため、会社は賃金カットを行った。そこで、賃金カットを受けた従業員らが、差額賃金等を請求し、あわせて当該従業員が加入する組合が、それらの措置は不当労働行為であるとして損害賠償を求めた事案である。
判決のポイント
1 所定休日の変更は不利益変更か
一般的には日曜日を休日とする職種が多く、公立学校の休日も日曜日及び土曜日であるから、休日が月曜日に変更されたことにより、原告組合員らの1週間の生活サイクルに一時的な変動をきたし、日曜日が休日である他の就労家族や学齢にある子供の交流に一定の支障が生じることは容易に推認し得るところである。しかし、日曜日が休日ではない職種や休日が不定期の職種に従事する者も少なからず存在し、これらの人々の社会生活や家族生活に何らかの深刻な影響が現に生じていることを認めるに足りる証拠はなく、また、…
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平成13年12月10日第2372号12面 掲載