日本大学事件(東京地判平14・12・25) 70歳定年は「事実たる慣習」と大学教授が権利要求 反復継続性も規範性も有り ★
2003.08.11
【判決日:2002.12.25】
就則は65歳の定め 希望者は全て延長
筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)
事案の概要
本件は、大学教授である原告が、被告大学に対し、満70歳まで定年が延長されるとの慣例が事実たる慣習として労働契約の内容となっていると主張して、労働契約上の権利を有することの確認を求めるとともに、労働契約上の賃金及び賞与等の支払請求をした事案である。なお、被告大学は、理事会において原告の学部長時代の問題、原告の総長選挙立候補時の行為等を理由に定年延長を認めない議決を行い、上記の定年延長は理由がないと抗弁した。
判決のポイント
労使間で慣例として行われている労働条件等に関する取扱いである労使慣行は、それが事実たる慣習として、労働契約の内容を構成するものとなっている場合に限り、就業規則に反するかどうかを問われず、法的拘束力を有するというべきである。そして、労使慣行が事実たる慣習となっているというためには、…
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平成15年8月11日第2452号14面 掲載