医療法人徳洲会事件(大阪地判平15・4・25) 自主申告以外に行った残業分の割増賃金を請求 黙示の命令で同額付加金も

2003.09.08 【判決日:2003.04.25】
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自己管理の末との被告主張を斥ける

筆者:弁護士 山田 靖典(経営法曹会議)

事案の概要

 Xは、昭和53年4月、病院の経営等を目的とする医療法人Yに採用され、YのN病院の総務課、医事課等で勤務し、平成12年4月以降は総合案内係であったところ、N病院では、平成元年から完全週休2日制を実施したが、要員補充をしなかったため仕事量が増え、Xも相当時間の残業をせざるをえなかった。

 N病院では、職員にタイムカードを打刻させていたが、時間外手当については、時間外労働をした職員がその勤務記録表に当日の残業を記載して自主申告し、N病院は、それに基づき職員に時間外手当を支給しており、Xに対し、平成10年9月21日から平成12年9月20日までの期間(以下「本件期間」という)の時間外手当69万1727円を支払った。

 しかし、XはYに対し、北大阪労働基準監督署によるN病院の調査実施後の平成13年5月10日、N病院ではT事務長が事ある毎に「残業が多すぎる」などと残業が出ること自体を非難していたため、職員が時間外手当を請求しにくい雰囲気があり、…

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平成15年9月8日第2456号14面 掲載
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