システムワークス事件(大阪地判平14・10・25) 退職した年俸制適用社員が残業代未払いと訴える 手当込みの合意は認めがたい
2003.09.15
【判決日:2002.10.25】
区別できない割増分 賞与も算定の基礎に
筆者:弁護士 牛嶋 勉(経営法曹会議)
事案の概要
本件は、システム開発を業とするY社の従業員であった原告Xが、年俸制の労働契約のもとで時間外労働を行ったとして、Y社に対して、割増賃金の未払分および遅延損害金、付加金などの支払いを請求した事案である。
Xは、平成11年11月にY社に入社し、13年6月に退職した。
Y社は、採用時、Xに対し年俸制なので残業手当は支払わないと述べた。Y社の就業規則48条には、所定労働時間を超える超過労働について、時間外労働手当などを支給する旨が規定されていたが、同49条には、年俸制適用者に対する時間外労働手当を支給しない旨が定められていた。また、同53条には、年俸制給与の支払いを、年俸額の15分の1を毎月支給し、15分の1.5を7月と12月に支給する旨が定められていた。
判決のポイント
7月と12月に支給される金員は割増賃金の基礎となる賃金に含まれるか。
この点、被告はそれらが賞与であり、労働基準法37条1項及び3項の割増賃金の基礎となる賃金には算入されないと主張するが…
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平成15年9月15日第2457号14面 掲載