日誠レンタリース事件(東京地判平15・3・31) 辞職社員の不正判明、退職金不支給巡って争いに 退職時に理由示していない
2003.10.27
【判決日:2003.03.31】
1年4カ月も経過 包括条項適用ムリ
筆者:弁護士 山田 靖典(経営法曹会議)
事案の概要
Y社は、60歳定年制を採用していたが、経営状況が悪化する中で、平成10年10月、新高円寺店の店長であったXに対し、①同月6日をもって55歳の定年となったので定年退職してもらうこととし、②退職金は600万円とする、③同月7日から平成15年10月6日(満60歳の日)まで雇用を延長する、④当該期間中の賃金は従前の80パーセントとし、差額の20パーセントは退職金の600万円から毎月支払うと通告した。
当時、Xの基本給は月額35万5000円であり、諸手当を含む合計額は47万8000円であった。
Xは、その際、就業規則上の根拠に基づかない55歳定年制にされたうえに、雇用契約を期間が1年という不安定なものになることや、給与は従前と同様であるものの将来的には減額の可能性があり、退職金規程どおりの退職金の支払が困難であるとも伝えられたため、このように雇用条件が悪化する状況で勤務を続けでも先がないと見切りをつけ、平成12年4月30日に退職した。…
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
平成15年10月27日第2462号14面 掲載