東京都済生会中央病院事件(東京高判平12・12・25) 複数の地位を兼務し、定年年齢が違う場合の扱いは? 就業規則の調整規定に拠る
2002.01.14
【判決日:2000.12.25】
当該事業場の就業規則の適用が原則
筆者:弁護士 加茂 善仁(経営法曹会議)
事案の概要
本件は、YがYの支部である東京都済生会においてXを雇用し、東京都済生会中央病院(Y病院)の事務局次長に任命し、その後Yの参事の資格を付与し、さらにY病院の総務部長に任命した後、Y病院就業規則の定年年齢60歳に達したので、Yが定年扱いをしたところ、Xが、参事は、Yの管理職であるとして、Yの就業規則が管理職の定年として定める70歳であるとして定年扱いを争ったものである。なお、Yの就業規則42条には「本会中央病院(Y病院)の職員は、同院の規模を考慮して別に定められた規則により就業し、この規則の適用を受けない」との規定がある。
判決のポイント
①同一の企業であっても、事業場が異なるのであれば、それぞれ異なる内容の就業規則を制定することは可能であるが、それぞれ合理的な労働条件を定めていることを要するし、規定内容が労基法3条、4条に違反すれば、その部分は無効となる。なお、各事業場の就業規則で異なる定年年齢を定めること自体は許される。…
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平成14年1月14日第2376号14面 掲載