富士見交通事件(東京高判平13・9・12) 懲戒解雇時に知っていて通知していない事由の効力は 解雇の有効性の根拠に ★
2002.02.18
【判決日:2001.09.12】
同一性、同種、密接な関連性が条件
筆者:弁護士 山田 靖典(経営法曹会議)
事案の概要
タクシー等旅客運送業のY社は、乗務員Xに対し、平成8年3月27日、「貴殿は、平成8年2月27日の組合執行委員会終了後、正常勤務を怠り、会社は、職場放棄とみなし、同年3月2日付きを以て懲戒解雇を通告する」と記載した懲戒解雇通知書を交付して懲戒解雇した。
そこでXは、本件懲戒解雇はY社の就業規則所定の懲戒解雇事由に該当する事実が存在せず解雇権の濫用に当たり、また不当労働行為で無効であるとし、雇用契約上の地位の確認と解雇された日の翌日からの未払い賃金の支払いを求めて提訴した。
Y社は、第一審において、Xを懲戒解雇した事由には、2月27日の職場離脱に限らず、①他の職場離脱、②営業車両のメーター不正操作、③粗暴な言動による職場秩序侵害行為、④脅迫・虚偽申告による業務妨害、⑤違法駐車、⑥飲酒運転があり、懲戒解雇は有効であると主張した。…
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平成14年2月18日第2381号14面 掲載