ティアール建材・エルゴテック事件(東京地判平13・7・6) 事業部門閉鎖に伴う有期契約労働者への雇止めは? 人員削減の必要性認める
2002.02.25
【判決日:2001.07.06】
希望退職募集せず 全員解雇に合理性
筆者:弁護士 岩本 充史
事案の概要
Xは、訴外会社との間で雇用期間1年間の雇用契約を更新していたが、訴外会社がY1に吸収合併された後も、平成9年3月31日付で同年4月1日から平成10年3月31日までとする雇用契約を締結していた。Y1は平成10年2月25日付で訴外会社から引きついだXを含む全ての従業員(140名)に対し、同年3月31日付で解雇する旨の意志表示をし、このうち40名と再度雇用契約を締結した。
なお、X一人が加盟している労働組合がY1に対し、団交要求をしたが、Y1はこれに応ぜず、さらに、労働組合は、Y2に対しても団交要求をしたが、Y2もこれに応じていない。
そこで、XはY1との間の雇用関係の確認を求めるとともに、Y1、Y2らが団交に応ずる義務があることの確認を求め、本訴を提起したものである。判決は、原告の請求をいずれも棄却した。
判決のポイント
本件の争点は、解雇の効力と団交応諾義務の有無の2点であるが、以下では解雇の効力について指摘することとする。…
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平成14年2月25日第2382号14面 掲載