中川印刷事件(大阪地判平13・8・24) 懲戒解雇までの自宅謹慎中の賃金不支給 業務命令と判断し支払義務
2002.04.08
【判決日:2001.08.24】
暫定措置としての規定整備が必要に
筆者:弁護士 山田 靖典(経営法曹会議)
事案の概要
Xは、平成8年11月、Y社に営業職として入社し、その後、製作関係や工務営業を担当するようになったが、9年春頃から、社内で暴言を吐くようになり、他の従業員や役員との関係もうまくいかないことが多く、上司を罵倒したり、人事に介入したり、他の従業員と喧嘩をするなど問題行動があった。
平成12年4月26日、Y社はXに対し、前日の言動を注意したが、聞き入れなかったため、始末書を提出するように求めた。しかし、Xはこれを拒否した。また、同年5月17日、顧客からクレームがあったため、管理部長が工場長に確認をしたところ、Xは顧客からの問い合わせを自分に伝えなかったと激怒し、管理部長に暴言を吐いた。
そのため、Y社はXに対し、右の言動を注意したが、聞き入れなかったため、自宅謹慎を命じた。しかし、Xは、同月18日午前10時頃、Y社に来てY社のパソコンを使用し、同月20日、Y社構内に入ろうとし、同月22日、Y社の取引先に出向いて、X個人との取引を依頼したが、これを拒否されると、取引先営業所内で大声で怒鳴り散らし、先方の従業員を脅すような態度をとり、さらに同日、Y社施設に立ち入って、無断でY社のファックスを使用した。…
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平成14年4月8日第2388号14面 掲載