日本ニューホランド事件(札幌地判平13・8・23) 55歳以上の賃金減額を労使間で合意 通知文書だけでは効力なし
2002.05.27
【判決日:2001.08.23】
就業規則改定なく差額分支払を命令
筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)
事案の概要
本件は、被告の就業員である原告が、55歳に達した月の翌月から、給与及び賞与を一方的に減額されたとして、被告に対し、給与については、55歳に達した月の支給額と実際の支給額との差額の支払を、賞与については、55歳未満の者の査定基準の平均値に基づいて算定した支給額と実際の支給額との差額の支払を、遅延損害金の支払とともに求めた事案。
被告には、ユニオンショップ制を採る従業員組合(以下「本件組合」という)が存する。従前から、被告と本件組合との間の労働協約に基づく双方の協議機関として、経営協議会が開催されてきた。昭和63年2月26日の経営協議会で、55歳に達した月の翌月から、次の新しい賃金体系に移行することが合意された。「賃金体系は、基本給と付加給(仮称)の2つの賃金項目とする。a 基本給 55歳到達直前の基準内賃金(整備士、地域手当を除く)の60パーセントとし、各々計算の上確定する。…
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平成14年5月27日第2394号14面 掲載