駸々堂破産管財人事件(大阪地判平13・11・7) 別の労働組合が締結した労働協約の効力は 「規範的効力」及ばない
2002.07.01
【判決日:2001.11.07】
破産後に提起した退職金請求認めず
筆者:弁護士 石井 妙子(経営法曹会議)
事案の概要
破産会社Y社の元従業員で北大阪ユニオン駸々堂分会(以下「北大阪ユニオン」)の組合員であるXら17名は、Y社の破産手続において、別組合「駸々堂書店労組」(以下「書店労組」)とY社の間で締結された退職金協定に基づいた退職金および旧就業規則に基づいた休日勤務手当について、労働債権として届け出たが、破産管財人がこれに異議を述べたため、Xらは債権の確定訴訟を提起した。
なお、Y社と書店労組との間には会社都合退職の退職金を「退職時基本給×2(Nマイナス1)但しNは勤続年数」の式によって算出する旨の本件協定があったが、北大阪ユニオンとの間には、そのような協定がなかった。もっとも、Xらのうち5名は、本件協定締結当時、書店労組に所属し、その後脱退して北大阪ユニオンに加入した経緯がある。
また、休日勤務手当については、就業規則の不利益変更がなされていたが、Xらを含む組合員はその適用を拒否していたため、その割増賃金は旧規定に基づいて支払われていた。…
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平成14年7月1日第2399号14面 掲載