カントラ事件(大阪地判平13・11・9) 職種限定の貨物運転者が私病回復途中に就労要求 準備期間設け受入れを

2002.07.08 【判決日:2002.02.28】
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「復職」を支持する裁判例が拡大傾向

筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)

事案の概要

 会社(㈱カントラ)は、一般区域貨物運送業を業としている。労働者甲は、昭和63年12月16日、会社に貨物自動車運転者とする職種限定で採用された。

 甲は、平成8年9月21日から慢性腎不全(本件疾病)のため、会社における業務に従事しなくなった。甲は会社に対し、平成10年6月1日に同月16日から復職したい旨申し入れた。会社は、甲に対し会社の産業医の診察を受けるように指示し、甲はこれに従って同検査を受診。産業医は、同月25日、甲は慢性腎不全及び慢性肝障害により就労不可能とする診断書を作成した。

 会社は、診断書の内容から甲の復職は困難であると判断して甲の復職を認めないこととし、同年7月18日、その旨を甲に通知した。その後産業医は、平成11年1月20日付けで、甲の復職を認める診断(但し軽作業に限る)をしたため、平成12年2月1日に復職した。甲は平成10年6月16日から平成12年1月31日まで会社において就労しなかった期間の会社の就労拒否は理由なく不当であるとして、その間の賃金の支払を求めたもので、本判決は第一審判決である。…

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平成14年7月8日第2400号14面 掲載
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