中労委青山会事件(東京高判平14・2・27) 病院の営業譲受けに際し組合員2人を不採用に 不当労働行為を認める ★
2002.07.15
【判決日:2002.02.27】
使用関係なかった法人にも採用制限
筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)
事案の概要
控訴人医療法人Xは、Nからその経営するK病院の施設、業務等の譲渡を受け、新病院Aを新設することとし、Nとの間に「Nは全従業員を解雇し、Nの従業員をXが雇用するか否かはXが決定する」旨の覚書を取り交わして譲渡契約を締結した。
Nは、平成6年12月、全職員55名に解雇を通告したうえ、A病院への採用希望を打診し、Xは、その採用希望者に面接して32名を採用した。しかし、K病院労働組合(申立組合)の組合員である2名については希望したにもかかわらず、採用面接を行わなかった。申立人組合は、2名の不採用は組合員であることまたは組合活動を理由とする不利益取扱いおよび支配介入の不当労働行為に当たるとして地労委に救済を申し立てた。
初審命令は、Xの雇入れ拒否は、労組法7条1号および3号に当たるとしてXに両名の採用と賃金相当額の支払いを命じた。中労委も初審命令を支持して、Xの再審査の申立てを棄却した。Xは、同命令の取消しを求めて本件行訴を提起し、第一審が中労委の命令を維持したため、Xが控訴に及んだもの。…
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
ジャンル:
平成14年7月15日第2401号14面 掲載