日経クイック情報事件(東京地判平14・2・26) 中傷メール発信の疑いで特定の社員を社内調査 「秩序維持」へ必要性認める
2002.08.05
【判決日:2002.02.26】
名誉毀損、プライバシー侵害訴える
筆者:弁護士 岩本 充史
事案の概要
本件は、Y会社が、ある社員に対して誹謗中傷メールが送られてきた事件等について調査等する過程で、Xに対して行った①Y2、Y3、Y4による第1回事情聴取及び第2回事情聴取がXの名誉等の毀損に当たる、②Y2、Y3、Y4によるX使用のパソコン等の調査及びその際、入手したXの個人データをその後も返却等しないこと、その印刷物を自ら閲覧し、また多数の者に閲覧させたことがXの所有権及びプライバシーの侵害に当たる等として、Y社員らに対し民法709条、719条に基づき、Y会社に対し民法715条1項、719条に基づき、連帯して慰謝料500万円及び弁護士費用50万円の支払と、Y会社に対し所有権及びプライバシー権に基づきデータの交付と削除、その印刷物の交付を請求したというもので、本判決は、Xの請求をいずれも棄却した。…
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平成14年8月5日第2403号14面 掲載