崇徳学園事件(最三小判平14・1・22) 災害復旧工事の不正経理処理で懲戒免職に 高裁判決覆し処分認める
2002.10.07
【判決日:2002.01.22】
不当な水増し請求などで学園に損害
筆者:弁護士 山田 靖典(経営法曹会議)
事案の概要
Y学園は、長期計画推進室長であり法人事務局次長を兼務していたXを、第1に、台風災害復旧工事に関し、Y学園の法人事務組織規程、決済規程、経理規程等に違反し、適切な事務処理、会計処理を行わず、また、Gワーク㈱に工事代金の不当な水増し請求をさせるなどしてその任に背き、Y学園に損害を与えたこと、第2にリース契約に関し、Y学園とKクレジットとの間に、必要もないのに殊更Gワークを介在させ、虚偽の内容のリースをさせるなどして、同社に不当な利益を得させたこと、第3に職務専念義務違反があるなど、日常の勤務態度は劣悪であり、Y学園の職員としての適格性を欠く行為が多々あることを理由に懲戒免職したところ、Xは、右の懲戒免職が不当であるとして、従業員たる地位の確認等を求めて提訴した。
第一審の広島地裁は、背任行為を理由とする懲戒免職は有効としたが、控訴審の広島高裁は、懲戒免職処分と免職処分事由内容とは均衡を失し懲戒免職処分は無効であるとして、広島地裁の判断を取り消したため、Y学園が最高裁へ上告した。…
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平成14年10月7日第2411号14面 掲載