泉証券<営業委託>事件(大阪地判平12・6・9) 外務員育成目的の期間雇用契約者の雇止めは? 継続の期待に合理性なし
2001.04.09
【判決日:2000.06.09】
予定されていない資格取得後の更新
筆者:弁護士 加茂 善仁(経営法曹会議)
事案の概要
Y会社は、歩合外務員育成のための制度として、契約期間を1年間、契約の更新回数は9回とし、かつ、その間、営業成績に比例する報酬を支払うほか、毎月一定の保証額が支給されるという営業嘱託制度を設けた。
Xは昭和63年12月、Y会社と右営業嘱託契約を締結し、5回にわたり更新してきたが、Y会社は、平成6年6月、Xの証券業務従事歴が10年を超えることになったので、Xに対し歩合外務員契約を締結することを申し入れた。
Xはこれを拒否し、営業嘱託契約の更新を申し出たため、X及びY会社の協議の結果、営業嘱託契約を期間1年として更新した。その後、Y会社は、Xに対し、何度か歩合外務員契約を締結するよう求めたが、Xはこれに同意しなかったので、平成8年3月31日、契約期間を平成8年4月1日から平成9年3月31日とする営業嘱託契約を締結した。
この間のXの毎月の手数料収入は、1カ月を除き50万円に達することはなく、Y会社はXに対しこのままでは営業嘱託契約の更新はできないと勧告したが、…
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平成13年4月9日第2340号12面 掲載