東京海上火災保険事件(東京地判平12・7・28) 私傷病欠勤の多い労働者を勤務成績不良理由に解雇 「適正な秩序乱す」と容認
2001.06.25
【判決日:2000.07.28】
5年5カ月のうち約2年4カ月欠勤
筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)
事案の概要
昭和62年に会社に雇用されたAは、①平成4年、出勤途上で左足を負傷し4カ月間、②平成6年、私用で乗用車のハンドル操作を誤り負傷し5カ月間、③平成8年、左膝内障で15日間、④同年、腰部椎間板ヘルニアで約1年間、⑤平成9年、歯痛で4日間、風邪で計11日間、⑥同年、乗用車のドアに足を挟まれ負傷し約6カ月間欠勤した。
会社はAが普通解雇事由を定めた労働協約27条1項3号および就業規則50条1項3号の「労働能率が甚だしく低く、会社の事務能力上支障があると認められたとき」に該当するとして、Aに対し、平成10年4月8日付けで解雇する旨の意思表示をした。Aは、本件解雇の無効を主張して本訴を提起した。
本判決は、第一審判決である。
判決のポイント
労働能力等の不良を理由とする解雇は許されるか、また、本件解雇は権利濫用になるか、が争われたものであるが、本判決はおよそ次のように判示して、Aの請求を棄却した。…
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平成13年6月25日第2350号12面 掲載