F製薬事件(東京地判平12・8・29) セクハラ行為を理由に適格性に欠けると普通解雇 反省の色なく合理性認める
2001.08.13
【判決日:2000.08.29】
身体への接触なく言葉だけでもダメ
筆者:弁護士 石井 妙子(経営法曹会議)
事案の概要
Y社は、労働組合から、管理職であるXについてセクハラ行為があるとの申し出を受け、調査の後、セクハラ行為を理由に、管理職のみならず従業員としても適格性がないとしてXを通常解雇(普通解雇)にした。
問題とされた行為は、部下の女性複数名に対して執拗にデートに誘う、担当でない部下に業務出張を命じてこれに同行しようとし、「2人で宿をとろう」などと言う、部下の男性社員に「俺に女を紹介したら管理職にしてやる」などと言うといった行為である。
Xは解雇事由に該当するような行為はなかったとして争い、仮に解雇事由があったとしても、いきなり解雇するのは相当性を欠く等として解雇の無効を主張し、地位の確認と賃金および慰謝料の支払いを求めて提訴した。
判決のポイント
1 Xは食事に誘ったこと自体は否定しなかったが、それは仕事に対するねぎらいや、あるいは良好なコミュニケーションを図るためであり、…
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平成13年8月13日第2356号12面 掲載