狩野ジャパン事件(長崎地裁大村支判令元・9・26) 2年間ほぼ毎月100時間超残業させられ賠償請求 長時間労働に慰謝料30万円
2020.06.25
【判決日:2019.09.26】
元従業員が、2年間にわたり毎月100時間以上残業したことで、精神的苦痛を被ったとして慰謝料等を求めた。裁判所は、会社は長時間労働で健康を損なわないよう安全配慮義務を負うと判断。心身の不調など疾患を発症していなくても、タイムカードの時刻から労働状況を改善指導すべきところこれを怠ったもので、未払割増賃金とともに慰謝料30万円の支払いを命じた。
心身の不調問わず 安全配慮義務怠る
筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)
被告との間で労働契約を締結していた原告が、被告に対し、(1)平成27年6月1日~平成29年6月30日までの間の労働につき、時間外、休日および深夜の割増賃金並びに所定労働時間を超えた法定労働時間内の労働に対する賃金に未払いがあると主張して、同契約に基づいて、これらの未払賃金の支払いを求めた。
原告は、その他に(2)労働基準法114条に基づいて、付加金の支払いを求め、また、(3)被告により、苛酷な長時間労働を長期間恒常的にさせられるなどして、精神的苦痛を被ったと主張して、不法行為に基づいて、慰謝料等の損害金の支払いを求めている事案である。
原告は、平成29年6月30日、被告を退職した。…
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令和2年7月6日第3263号14面 掲載