グリーントラストうつのみや事件(宇都宮地判令2・6・10) 財源悪化し更新5年まで、無期転換目前で終了 人員整理的な雇止め無効に
2020.10.15
【判決日:2020.06.10】
緑地の保全活動を行う公益財団法人の非常勤嘱託職員が、契約更新の上限5年に達し、平成30年3月末に雇止めされた事案。市は財源悪化を理由に人員整理するよう指導していた。裁判所は、整理解雇の法理が妥当するとしたうえで、解雇回避努力や対象者の選定を検討した形跡がまったく認められず雇止め無効とした。雇止め後に申し込んでいた無期転換を認めている。
回避努力など怠る 検討した形跡皆無
筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)
事案の概要
原告は、平成24年11月1日に被告との間で有期労働契約を締結した。平成25年4月1日から1年契約の更新を繰り返し、平成30年3月31日をもって雇止めされた。原告は、平成29年4月1日に締結した期間の定めのある労働契約は労働契約法19条各号の要件を満たし、かつ、被告が原告からの更新の申入れを拒絶することは客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないから、被告は上記労働契約と同一の労働条件でこれを承諾したものとみなされ、かつ、同法18条1項により期間の定めのない労働契約に転換されたなどと主張して、労働契約上の権利を有する地位にあることを確認するとともに、賃金請求等をした。
判決のポイント
1、本件各労働契約は、…
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令和2年10月19日第3277号14面 掲載