JR東日本事件(横浜地判平9・8・7) 組合バッチつけ就業した者のボーナスを減額 支障なく不当労働行為に ★
1997.12.01
【判決日:1997.08.07】
勤務中の活動を例外的に認める
筆者:弁護士 中山 慈夫(経営法曹会議)
事案の概要
会社は、就業規則で就業時間中の組合バッチ着用が禁止されているとして、就業時間中に組合バッチ(1.1センチメートル×1.3センチメートルの四角形にレールの断面とNRUの文字の表示がある)を着用していた組合員らに対し、訓告または厳重注意処分を行うとともに、夏期手当の減額支給をした。
このため当該組合は、会社の措置は正当な組合バッチ着用を理由とした不当労働行為であるとして、神奈川県地方労働委員会に救済申し立てを行った。
同委員会は、会社の行った一連の措置は労働組合法7条3号の支配介入に該当する不当労働行為であるとして救済命令を発した。会社は、この命令の取り消しを求めて横浜地方裁判所に提訴したが、会社の請求は棄却された。
判決のポイント
組合バッチ着用と就業規則との関係を次の通り解釈し、会社の一連の措置には、就業規則上正当な根拠はなく、不当労働行為意思が認められるとした。
一、就業規則20条3項は、就業時間中会社の認める以外の胸章着用を禁止しているが、同条項に違反するかどうかは、組合バッチ着用により利用者に不快感を与えたり、職場規律の弛緩を招くことにより同規定の趣旨にそわない結果になるか否かにより決するのが相当である。…
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平成9年12月1日第2179号10面 掲載